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赤帽 猫丸運送 いろいろなお手伝い。岡山の赤帽です。

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またたび日誌

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猫の3 「カントリロード」この道、ずーっと行けば
 
ジョンデンバーのカントリロード。このLP版に出会ったのは、遙か遠い昔。空が青く青く、果てしなく青く感じる年頃でした。
放浪の旅。いつか、きっと、そういう生活に身を置いているかもしれない、そんな予感がありました。「青年は荒野を目指す
ひこうき雲」「岬めぐり」などなどもこの時代。そういえば「遠くへ行きたい」「遠くで汽笛を聞きながら」・・・いろいろ
カントリロード
イエローリバーなんてのも♪
運送業は、基本的に、点と点を結ぶ線を走る仕事です。ルート選びによって、快適な道もあれば、でこぼこの未舗装ダート
ハンドル操作をちょっと誤れば、崖からすっ転びそうな道、バックでないと登れない急な坂道、いろいろな道に出会います。
定期的な配送のような仕事ならばまだしも、お求めに応じてどこにでも、配達するような我々のような場合、この道を走るの
は、今回だけかも。一期一会か・・・。という道もあります。
 
迷い道。標識も少ない山中を走り、うっかり目印を見失うと「大きな木がある二股の三叉路・・・三叉路・・・木の根元にほこら
・・・ほこら・・・」と、どの道も教えてもらった目印に思え、ひとつひとつ曲がってみては「違う!またバック」ということになりま
す。関東などのよく知らない土地の場合、迷うと、とりあえず近くの警察署を探してそこで訊ねます。24時間、開いています
ので助かります。いつぞや、夜明け前、窓口で応対してもらっていると、暴走族がクラクションを鳴らしながら玄関前まで、や
っきて、なにやら騒ぎながら急発進して逃げていきました。署内にいた警察官全員(とはいっても4、5人ほど)、ガバッと立ち
ち上がり「クソッあいつら」と。
霧の中 落ちたら
何もないようなところで迷うと非常に心細く、一山越してしまったりもします。関西、九州、中四国地方は以前、転勤で住んで
いましたので、土地勘もあります。また夏冬の繁忙期は、宅配便をしていますので、住宅地などの運転は慣れていて、いつ
もカンで、この辺りと探し出したりします。カーナビなどに頼らなくても目的地に到着できることが、ある意味自慢です。
 
ところが山地にはいると、右に左にカーブを曲がって、いくつもの丘を越えたり下ったりすると、西も東もわからなくなったり、
距離感もわからなくなったりします。そして迷い込んだ道、それはまた再び通ることがないと思うのです。地元、岡山県内で
も、ある日の夕方、新見市への配達の帰りのことです。雪がちらほら降っていました。新見市街地でも町内の日陰にはうっす
ら雪が残っていました。このとき、山を越えて吉備高原都市そして岡山市へと県道を抜ければ、総社市周辺の夕方の渋滞に
遭わずに帰れると、画策し、新見市街地より国道180号を少し出たところで、ふいと県道へ。山中に上っていきます。残雪が
ちらほら。高台に上がり、雑木林の薄暗い道にさしかかると、道の真ん中で、車が数台停まっております。「おーい車が落ち
たぁ」2トントラックが、路面の積雪による凍結で、そばの小川へ頭を突っこんで斜めになっていました。狭い道をふさいでしまっ
います。しばらくしてやってきたダンプにワイヤを引っかけて、皆で引っ張り上げました。
 
見るとこの通行止めにより、周りには車が十数台。こんな寂しい所へ。さらに進むと峠の登り坂です。なんとここは積雪で、タイ
ヤがスリップ。チェーン装着しなんとか山越えして出た四辻で、「この先改良工事で通行止め。○○地区はこちらへ」その○○
がわかりません。地図を見てもよくわらないので、方向とカンで道を選択。狭い集落を通り抜けると、道は、何だか川伝いに
谷底へ進んでいきます。地図を確認すると、やはり違う道を。迷っていました。その後はもう、頼れるのはやはり、カンしかなく
適当に進むのです。その後、なんとか岡山道を見つけ、測道沿いに走って、元の県道に戻ることができました。迷い込んだこ
の道は、相当、時間もかかったし、二度と通ることは無いでしょう。一期一会でした。
 
また県外の帰り道など、探検と称してルート選びに失敗、つまり苦労してしまったこともあります。行きは高速道を利用しても、
帰りは経費節減のため高速を走りません。そこで、配達先からいかにして岡山まで戻るか、帰路を考えます。京都からの帰
り道大阪からの帰り道などがそうですが、たいていの場合、岡山方面へ向かいそうな大型トラックの後をひたすらついてゆ
くと、道がわかったりします。なお、つい追い越してしまったり、トラックがコンビニに寄ってしまったりすることも。知らない道を
あえて走ることにより、いつかまた違う依頼で、この近くを走ることになるかもわからないので、道を知る、覚えるために、探検
してみるのでした。
 
先日、山口県の山陰のある都市に配達を済ませた帰り、このときは数日前から予定が入り地図を眺めながら、帰りのルート
を決めていました。しばらく国道191号線を走り、益田市で9号線へ、海岸線沿いに。途中で、中国山地を斜めに抜け尾道
へ。そして2号線に出る。中国地方の地図をぱっと見れば、このルートが岡山へ早く帰れそう、と思うのでした。
 
山陰ルート
赤ライン山陰ルート 青ライン2号線
益田浜田、何度か訪れていて知っています。以前、益田の帰りは国道191号を抜け、広島の可部に入り2号線に。
六日市の時もそう。2号線をすぐに通りがちです。しかしそうすると交通量が多いし、いつものありふれた道です。このたびの
三次-尾道も何度か通って走りやすい良い道(184号)と知っていたので、大田市から三次市へ抜ければ、今回は2号線を、
そう利用することなく、岡山へ帰ることが出来ると考えました。
 
風光明媚な国定公園日本海沿岸を眺め、萩の鎖峠を越え、見晴らしの良い浜田道路を通り、仁摩サンドミュージアムを横目
にして、大田市に着いたころにはすっかり日が落ちていました。そこから三次市までは国道375号。交差点を曲がると、やは
り、脇道、普通の住宅地のような所を通過します。標識通りに行きますと、だんだん人家も少なく、アップダウンも多くなり、と
思ったら山中へ、そこは道幅の狭い林道でした。そして霧の中に。この日は午後から雨が上がり、岡山から山口県へ向かう
途中でようやく晴れ上がった不安定な天気でした。
 
10メートル先も見えない濃い霧でしたが、さいわい、先導車が2台ほどいましたので、ひたすらテールランプを追いかけて、
クネクネと林道を進みます。しばらくすると霧も薄くなり、温泉郷の明かりが、そしてようやくひらけた、役場もある邑智町へ。
やあ、一安心。前にいた車は、集落へ入っていったり、交差点で分かれたりし、まっすぐ進むのはひとりだけとなりました。
林道だったのは三瓶山の脇を抜けたからで、霧もすっかり晴れ上がりました。あとは、このまま375号を進むだけ。
 
しばらく進むと道は、江の川沿いになり、JR三江線も走っています。と、またもや、道幅が狭くなり、ややっ!またかよ・・・。
今度は林道というよりは、集落を抜ける畑道。対向車と離合できない狭い道。辺りは一面真っ暗、対向車も後続車もいませ
ん。とりあえず走り抜けるしかない。実はこのようなとき、脇に車を停め地図を開いて、道を確認すればよいのですが、もう、
その時は「国道、知らない所で県道でも選ぶと余計、迷うかも、やっぱりこのまま国道」でした。そのまま突走っていくのでし
た。ただひたすら、「絶対迷いたくない」
 
早く抜けたい。三次はまだか。そういえばどこかの標識で三次80qとあったけ。遠い・・・。ぶんぶん一目散に、するとトトロ
森の木のトンネルのような狭い道。ここは国道375号か?さらに進むと二股の分かれ道。どっちに進めば良いのかわからな
い。とりあえず、太そうで道なりと思える方へ。しばらく走っても相変わらず狭くてクネクネの道です。これは、迷ったかもしれな
い。しかしいまさら・・・と、不安だらけ。
三瓶山 木のトンネル
三瓶山                      木のトンネル
高知県でも似たような、待避所でないと離合できない国道に、でくわしたことがあります。高知県伊野町の帰り、市街地を通
らないで国道32号に抜けようとして、早明浦ダム周りの国道を通りました。吾北村辺りの国道439号がそうでした。また、
随分、昔になりますが広島県内の県道で黒瀬−安浦間も同じく、どうもこうした悪路はあちこちに。
 
やっと対向車が現れ、待避所で車をかわし離合する。このとき道を訊ねてもよかったのですが、やけくそ、そのままゴーッ、再
びただひたすらに突き進むのでした。ようやく国道375号の標識が・・・・、とりあえず道は間違っていなかった。道中、道路工
事の現場にさしかかり、迂回のためダート路へ。どうも拡張工事をしている最中のようです。ちらりと人気のない寂しい工事現
をうらめしそうに横目に見ながら、黙々とドスンドスン車を揺らしながら、でこぼこ道を通り過ぎました。そして国道54号線へ。
しかし、三次市街地は、またもや濃い霧の中でした。その後、御調町のあたりまで霧の中を走ったと思います。疲れ切って深
夜、自宅に帰り着き、なんだか悪夢のような一夜でした。
 標識
標識
実は、それから数週間のち九州の帰りに、下関より国道191号線に入り同じルートを通りました。しかし、今度は邑智町辺り
で国道54号線へ迂回する県道166号線を通りました。前回、「赤名峠こちら」という標識を何度か、見かけていたからです。
もちろん、地図もよく下調べをしました。そしてほどなく、国道375号線を通過し、安らかな気持ちでを通りますと、その日は
もう4月になっていたにも関わらず、国道の脇や山肌には、白い残雪を見ることができました。なお、迂回した先の375号は、
恐らくもう走ることがないでしょう。せめて拡張工事が完成するまでは。やっぱり、一期一会。
 
 

 

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